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モーターを専門に扱う『スリーピース株式会社』の代表・西山弘信が、モーターならではのトラブルを解説。
モーターに関して、お悩みのトラブルや検討中の課題などがある方は、ぜひご一読ください。
※2021年時点
無人走行草刈り機は、屋外の過酷な環境で長時間の連続稼働や不整地での使用が前提となるため、モーターや駆動部に大きな負荷がかかりやすい機器です。路面の凹凸による激しい振動や筐体重量が負荷となり、軸受の摩耗やシャフトの破断を招くことがあります 。
本ページでは、実際に発生したトラブル事例をもとに、その原因と具体的な解決策について解説します。
規格を超えるラジアル荷重が加わっていたため、軸受メタル(すべり軸受)が激しく摩耗していました(下図参照)。 筐体の重量が大きく、モーター軸や軸受に過剰に荷重がかかっていたことが原因でした。
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通常は軸受部に潤滑油を含浸させた、自己潤滑性を持つ含油軸受を使用していますが、ラジアル荷重に強い軸受ベアリング(転がり軸受)へ変更しました。
ラジアル荷重に強いベアリングを採用したことで軸受部の摩耗が改善。負荷に対する耐性が向上し、より安定した回転支持が可能となり、長時間の連続駆動が可能になりました。
本製品は一日中自動で草刈りを行うため、この改善によってお客様側で製品保証期間を延ばすことが可能になり、顧客満足度の向上につながりました。
凹凸の多い荒れた路面を長時間走行させる環境下では、無人走行草刈り機の筐体重量による衝撃が出力軸に繰り返し加わります。 その累積負荷によって、最終的に軸が破断してしまいました。
現地で実機を確認した際、筐体が重く、標準の出力軸で支えるには強度的に不十分だと判断しました。 出力軸の外径を太くして材質を変更。さらに焼き入れ処理を施すことで高い強度を持つ出力軸を採用しました。
出力軸の焼き入れ処理は、表面の耐摩耗性と内部の靭性(粘り強さ)を両立させ、疲労強度を高める重要な工程です。
出力軸の焼き入れ処理により、凹凸の多い荒れた路面で一日中自動で草刈りを行う本製品において、長時間の連続駆動が可能になりました。
その結果、製品保証期間を延長できるレベルの信頼性を確保することができました。
荒れた路面を走行することで強い振動が発生し、モーターとギアヘッドの連結部に使用しているねじが徐々に緩み、最終的には脱落してしまう事象が発生していました。さらに、その振動の影響でモーター内部の巻線が断線する不具合も確認されました。
一部のネジにはネジロックが使用されていたものの、固定力が不足していました。
通常タイプから強化タイプのネジロックへ変更することで、ネジのゆるみを確実に防止できるようにしました。
モーター内部で発生していた巻線切れについては、巻線全体をコーティングする処理を追加することで、振動や衝撃による断線を防止し、モーターの信頼性を大幅に向上させました。
これらの対策により、機械的なゆるみと電気的な断線という二つの主要トラブルを同時に解消し、長期安定稼働に寄与しています。
対策後はモーター故障がほとんど発生しなくなり、メンテナンスにかかるコストを大幅に削減できました。
メーカーによる改修や交換作業を行う場合、交通費や作業費だけでも最低3~10万円は必要になるため、故障低減によるコストメリットは非常に大きいといえます。
本事例では、荷重・衝撃・振動といった使用環境に起因するトラブルに対し、部品仕様や構造の見直しで対応しました。 使用環境に即した設計改善は、製品の保証期間延長やメンテナンスコストの劇的な削減に直結します。不具合による一度の改修・対応費用だけでも数万円単位の損失となるため、早期の対策は非常に高いコストメリットを生みます。
モーター選定や設計を適正化することで、耐久性と信頼性を向上させることが可能です。類似課題がある場合はぜひご相談ください。
※2021年時点