当メディアはスリーピース株式会社をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。
モーターを専門に扱う『スリーピース株式会社』の代表・西山弘信が、モーターならではのトラブルを解説。
モーターに関して、お悩みのトラブルや検討中の課題などがある方は、ぜひご一読ください。
※2021年時点
介護用バイオトイレでは、排泄物を安定して攪拌・分解するため、高い耐久性と安定動作が求められます。その一方で、高負荷による停止や軸受摩耗、コスト増加などの課題も発生しやすく、実負荷に適したモーター選定と構造設計が重要となります。
本ページでは、バイオトイレの代表的な故障や課題の改善事例を紹介します。
この介護用バイオトイレの装置は、おがくずや木材チップを攪拌し、排泄物を分解するしくみでしたが、選定ミスによるもので、モーター出力が小さすぎました。
実際の負荷に対して適切なモーター選定が行われていなかったのが原因です。
お客様に実機を用意していただき、攪拌時のモーター電流波形を測定することで電流値から負荷が何mN・mあるかを算出し、実際の負荷条件を把握しました(画像参照)。
そのデータをもとにして、実際の負荷に適合したギアドモーターを再選定。装置の動作安定性と信頼性を向上させました。
![]() |
![]() |
おがくずが水分や湿気を含むことで負荷が大きくなり、「モーターが回らない」「攪拌羽から軸が外れる」といったトラブルが発生していました。 しかし、実負荷に基づいて適切なギアドモーターを再選定したことで、これらの不具合を大幅に軽減することができました。
その結果、メーカー側で発生していた改修対応や修理作業をほぼ解消し、装置全体の信頼性向上と運用コスト削減につながりました。
ラジアル荷重が大きいため、軸受の摩耗が発生していましたが、これは歯車と軸受メタルが直接擦れてしまうことが原因でした。
軸受けメタルの内径が、0.2mm程度摩耗しており、ダイカストケースの端面も削れています。(画像参照)
ダイカストケース端面の削り屑が、最終段大歯車上面~ダイカストケース内面間に挟まっていました。(右端・4つ目の画像参照)
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |

ベアリングの変更ではなくワッシャー(画像)を追加する対策を実施し、
歯車と軸受の接触を防止。
これによって、軸受メタル側面の摩耗を大幅に抑制することができました。
ラジアル荷重が大きい場合、一般的には含油メタル軸受をボールベアリングへ変更する対応が取られます。
しかし、ベアリング化は部品代が高く、製品単価の大幅なコストアップにつながるという課題があります。
そこで、ベアリングを使用せずにワッシャーを追加することで、歯車と軸受の擦れを防止し、軸受メタルの摩耗を抑制する方法を採用しました。
この対策により、耐久性を確保しつつコストアップを回避。
結果として1台あたり約700円のコストメリットを実現しました。1,000台/年の生産数であったため、年間70万円ほどのメリットとなります。
30年以上前の設計では、通常ACギアドモーターが使用されていましたが、近年では単価が高騰しており、コスト面での課題が大きくなっていました。
使用時間や負荷条件、耐久性への要求を詳細に確認したうえで、DCブラシ付きギアドモーターへの置き換えが可能と判断。
必要なスペックを満たすDCブラシ付きモーターを選定し、ACギアドモーター同等の性能を維持しながらコストダウンを実現しました。

(左)ACギアドモーター
(右)DCブラシレスギアドモーターに変更。モーター部も小さくなり、単価が大幅に下がりました。
同スペックで比較すると、ACギアドモーターに対してDCブラシ付きギアドモーターは本体サイズを小型化でき、装置側の設計自由度も向上します。 また、ACモーターとDCブラシ付きモーターでは単価が大きく異なり、DCブラシ付きモーターなら半分以下のコストで調達可能でした。
この装置では1台あたり2個のモーターを使用していたため、置き換えによるモーター部のコストメリットは、合計で4,000円以上となり、大幅なコストダウンを実現しました。
バイオトイレの故障を防ぐには、チップの水分量などの実負荷に基づいた的確な選定が重要です。
ワッシャーの追加やDCモーターへの置き換えといった工夫は、信頼性を確保しながら数千円単位のコストダウンに直結します。
バイオトイレの撹拌不良や軸受摩耗、部材高騰にお悩みの方は、現場の課題を解決するスリーピースの提案をご検討ください。
※2021年時点